相続税の計算で遺贈の扱いは?

法定相続人以外の人に財産を残したい場合には遺贈という方法があります。
内縁関係にある妻や夫、認知をしていない子供、養子縁組をしていない再婚相手の子供、息子の嫁、そのほかにも世話になった人、世話になった団体や、気になる人に財産を渡す場合に財産を残す方法です。
遺言によって意思表示をします。

遺贈には包括遺贈と特定遺贈の2種類があります。
包括遺贈は、総相続財産の中でどの程度の割合を渡したいかを指定します。
○○の相続財産の5分の一を与えるというような方法です。
また特定遺贈は一緒に住んでいた家や、思い出のある別荘など贈るものを指定する方法です。
内縁の妻や、息子の嫁など法定相続人ではないけれど、自分の晩年の世話をしてくれた人に居宅を渡すのはよくあることです。

負担付遺贈等もよく行われます。
配偶者や高齢の親の介護をしてもらうことを条件に財産を遺贈する場合などがこれにあたります。
生前に遺贈することを受贈者に話して双方で了解しておく方法を死因贈与といいます。
世話になった老人ホームやボランティア団体に遺贈することもあります。
これらの遺贈財産は相続税の対象になります。
しかし、基礎控除の対象にはなりません。
基礎控除は<3,000万円+600万円×法定相続人の人数>です。
この中には受贈者は入りません。
何人に遺贈しても控除金額は変わりません。

また、個人が払うべき相続税はその個人が受け取る相続税額によって変わります。
遺贈分に関しては、法定相続人の2割増しの相続税がかかります。
例えば、法定相続人1人が7,000万円の相続をした場合、基礎控除が3,600万円です。
のこる4,400万円が課税対象になります。
控除額は50万円、税率は15%です。
4,400万円ー50万円=4,350万円、4,350万円×15%=652,5万円となります。
遺贈の場合には 7,000万円×30%=2,100万円、2,100万円×120%=2,520万円となります。

法定相続人と受贈者では同じ財産を相続しても税金は全く違います。
高齢になってから駆け込み的に入籍する人があるのはこのためです。

もし、遺贈が法定相続人の遺留分を侵害するときには、法定相続人は自分の遺留分を確保するための減殺請求をすることができます。
つまり、遺産の額で揉めることになります。
遺贈は、自己判断で行わず、専門家に相談して揉めないような方法を選択したいものです。