相続税計算で遺留分はどうなる?

遺言では、被相続人が法定相続人以外の人に遺贈という形で財産を残すことができます。
民法では個人の意思を尊重するという意味で法定相続よりも遺言の内容を重視します。
しかし、法定相続人の最低限の相続の権利を保証しています。
遺言に優先する法定相続人の相続権部分を遺留分と言います。

遺言は被相続人の感情が大きく影響します。
たまたま、その時期にできた人間関係を最優先してしまうのです。
よくドラマなどで出てくるのは愛人です。
また、被相続人が熱心に活動していた社会活動団体なども遺贈の対象になりやすいところです。
すべての財産を愛人や特定の団体に相続させるという遺言が出てきた場合、残された家族が生活費にも事欠くようなことがないように、決められているのが遺留分です。

遺留分は、配偶者、子供、父母に対して保証されています。
残念ながら兄弟には保証されていません。
遺された遺族の構成で遺留分の計算方法が変わります。
父母のみ、3分の1、その他の場合、2分の1です。

例えば、遺されたのが両親と兄弟だけなら、両親に3分の1、受贈者3分の2、配偶者だけなら、配偶者に2分の1、遺贈者2分の1、配偶者と子供一人なら、配偶者4分の1、子供4分の1、受贈者2分の1、配偶者と子供二人なら、配偶者4分の1、子供、8分の1×2、受贈者2分の1になります。

この場合の、相続税は遺留分を受け取る法定相続人は一般の税率ですが、遺贈を受け取る人は2割増しの相続税を払うことになります。
全相続財産が1億円の場合で法定相続人は遺留分のみとした場合には、配偶者が2,500万円、子供2,500万円、受贈者5,000万円を受け取ることができます。
この場合、配偶者は「配偶者の税額軽減」制度の適用を受けて相続税はかかりません。
「配偶者の税額軽減」制度は配偶者の相続税は1億6千万円まで課税しない制度です。

遺言で遺留分を侵害する遺贈があった時には遺留分減殺請求をすることができます。
この権利は、遺留分侵害の事実を知った日から1年、遺留分侵害を知らなかったときには相続の開始から10年を経過すると時効消滅します。