相続税計算は簡単にはできない?

相続税に不安を感じる人が増えると同時に相続税を簡単に計算できるサイトやアプリがいろいろインターネットで活用できるようになりました。
銀行、保険会社、弁護士事務所、税理士事務所など、相続税に関する業務を請け負う会社や団体のホムページには、ほとんどあるといっても過言ではありません。
しかし、現状は簡単に計算できるアプリは個別の事情には対応できていません。
もっとも一般的な法定相続に関してだけの計算になります。
さまざまな控除制度や軽減制度には対応しきれていないのです。

国税庁のホームページには懇切丁寧に計算の仕方が記載されています。
これはアプリではなく手計算の方法です。
しかし、これでも、すべての個別事情を網羅できているわけではありません。
実は、相続ということ自体がとても複雑で多種多様なのです。
相続の仕方次第で相続人間の相続財産の配分が変わってきます。
相続の種類には、単純承認、限定承認、相続放棄などがあります。
遺言書の有無、遺贈の有無等によっても大きく変化します。
遺言で相続財産の種類を指定してあれば、払う相続税も変わってきます。
相続税計算アプリによって計算できるのは、いわゆる法定相続の場合です。

遺言で相続の仕方を定めている場合には、基本的にその方法に従います。
相続するものが、相続人個人によって変わってくるのです。
そうなれば、遺留分の計算など、とても複雑になります。
まして、事業継承の問題が絡んだりすると、簡単に計算できるはずがありません。

相続税の知識が必要なのは、相続人だけではありません。
被相続人が、自分の死後も特定の人の生活を守るために遺言を残したい場合にも、相続税の知識が必要です。
大切な人に大きな財産を残したいと思って作った遺言が、相続税上不利な遺言であっては、遺言の意味がなくなってしまいます。
自分の作った遺言で、相続財産を受け取った人が苦しむことのないようにしたいものです。

相続税の専門家の知識なしでできるものではないかもしれません。
相続税の個別の相談をするには、相当の個人情報を説明しなくてはなりません。
信用できる相談相手を早く見つけておくことも、相続を税節税しながら、なおかつ不足のない申告につなげるコツです。